前回に続いて、「婚活」の為の女性の年代別「結婚観」の整理、50代編です。

唐突ですが、「人生１００年時代」というワードが提起されて、もう何年になりましょうか。

前回の万国博覧会は1970年でしたが、その頃の定年退職年齢は５５歳とする企業が多く、退職すると「ご隠居さん」でした。イメージ的には「おじいちゃん」ですね。

このころは平均寿命が男性が69.31歳、女性が74.66歳。

サザエさんの磯野波平さんは公式で５４歳、磯野フネさんは50ン歳となってます。

サザエさんは1946年に発表され、昭和の戦後から１９６０年代ころの家族のイメージが色濃く残っております。家庭や家族構成、外見上のイメージでの５０代は、今と随分かけ離れてませんか？

さて、定年制と平均寿命は大変関係が深く、今では定年は70歳までという企業も出ております。それだけ平均寿命も延び、今なら波平さんやフネさんの社会的立ち位置は、60代後半くらいに相当するのではないでしょうか。

そうして観ますと、今時の50代というのは、まさに人生の折り返し、まだまだ女性も男性も活力あふれるパワフルさを要求される年代であると言えますね。ただし、この頃からは、自身の体質が変化していく時期であり、健康面でのケアが要求され始めます。

こうした点を背景に、50代女性の結婚観について、「婚活」を知る上で、整理をしてみたいと思います。

【50代女性の結婚観について】

50代女性の結婚観は、人生の折り返しを過ぎた地点からの「再構築」や「再選択」という意味合いが強くなっていく傾向があります。

20代・30代のような“未来に向かう希望”や、40代のような“現実と理想の調整”とも異なり、50代の女性は「今までの人生をどう受け入れ、これからどんな人生を歩みたいか」という視点から結婚というテーマを見つめ直すことが多いのです。

この年代の女性は、すでに子育てを終えた人や離婚・死別を経験している人、独身を貫いてきた人など、背景が非常に多様です。

そのため、結婚に対するスタンスも千差万別ではありますが、共通しているのは「自分らしくいられること」を何よりも大切にしている点です。

長年の人生経験から、自分にとって何が快適で何にストレスを感じるのかを深く理解しているため、結婚相手に対しても「安心感」や「精神的な距離の近さ」を何より重視する傾向があります。

また、50代女性の多くは自立心が高く、経済的にも精神的にも「誰かに頼らなくても生きていける」力を身につけています。

そうした背景から、結婚を“生活のため”や“将来への不安解消”として考えることは少なくなり、「一緒にいて楽しい人」「価値観が近い人」「日々を穏やかに過ごせる人」との結びつきを求めるようになります。

とは申しましても、経済的な状況にはかなり格差があります。

もともと男性との給与格差もまだまだあります。雇用形態により女性間でも収入面では、一部でかなりの格差があります。ですので、女性個々の収入環境により、お相手への求める条件は当然ながら異なってまいります。

私は、男性はどの世代であれ、よく女性の置かれている立場を理解して頂きたいと思うのです。

女性は常に、自身との関係を相対的に比較をしながら男性を観ております。お申込みの際、自分の事しか考えない男性は、その時点でシビアに評価されますよ。

あっとこれは蛇足でした。

さて、さらに、この世代は結婚という形式にとらわれない柔軟な考え方を持っていることが多く、「事実婚」や「別居婚」「通い婚」など、従来の結婚スタイルにとらわれないパートナーシップの形も積極的に受け入れています。

自分の生活リズムや人間関係を大切にしながら無理のない距離感で愛情を育むという関係性は、50代ならではのバランス感覚のあらわれと言えるでしょう。

一方で孤独を感じやすくなるのもこの年代の特徴です。

子どもが独立して親の介護問題も始まりつつある中で、「自分の人生をどう豊かにするか」という課題に直面します。

そんなとき、「誰かと寄り添える関係」が結婚という選択肢を再び浮かび上がらせるのです。

恋愛感情よりも信頼と尊重をベースにした穏やかな関係を築ける相手との結婚を望むケースが多く見受けられます。

また、50代女性の中には、これまでの結婚生活における苦い経験を乗り越えた末に「今度こそ自分を大切にしてくれる人と出会いたい」と考える人もいます。

過去の失敗を恐れず新しい人生を自分の手で選び取ろうとする姿勢は、この年代ならではの強さであり、魅力でもあります。

結婚を「ゴール」とせず、「パートナーとともに歩む新しいスタート」として捉える50代女性の結婚観には、経験に裏打ちされたリアリズムと自分を慈しむ覚悟が見え隠れします。

互いに干渉しすぎず、必要なときにはしっかり支え合える、そんな「大人の関係」を求める女性たちが自分らしい幸せを築くために一歩を踏み出しています。

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